長い長い夢を見ているような感覚でした。
何か夢を見ていたことだけは覚えています。
近所のお店に行ったり、そんなたわいのない日常の夢。
ふと、名前を呼ばれました。
肩を揺すぶられ、意識がゆっくり浮上していきます。
気づくと、看護師さんが声をかけてくれていました。
「抜きますね」
そう言われて、喉から何かが抜かれました。
たぶん、呼吸器だったのだと思います。
喉に違和感が残りました。
「少し違和感があるかもしれないけど、すぐ治るからね」
そう優しく言われました。
次に気づいたとき、手術台が動いていました。
自分の体がガタガタと揺れているのが分かります。
その揺れと同時に、痛みも感じました。
けれど強い眠気があり、
寝ているのか、起きているのか分からない状態。
自分が移動しているのは分かるのに、
どこからどこへ運ばれているのかは分かりません。
きっと、手術室から病室へ戻ってきたのでしょう。
やがてガタガタとした動きは止まりました。
緊張もあったのでしょうか。
気づけば、汗がびっしょり出ていました。
看護師さんの声が聞こえます。
「このままだと風邪をひいてしまうから、痛いかもしれないけど、服を取り替えますね」
意識が朦朧とする中、寝たまま体を右に倒されました。
次は反対の左へ。
前開きの専用の病院服に着替えさせてもらい、
パジャマを整えてくれました。
私は、ぼんやりと思いました。
――辛い……痛くて、何も考えられない。
そしてそのまま、また深い眠りに落ちていきました。
