「乳がんです」と告げられた瞬間、現実感がなかった私の話

「家族を連れてきてください」


そう言われていたにも関わらず、先生と話をするまでは、

正直そこまで大したことではないと思っていた。

今思えば、家族を呼ばれるという時点で、重大な話だと分かるはずなのに。

主人と一緒に診察室に入り、先生はとても真剣な表情でこう伝えた。

「乳がんです」

頭の中で、「がーん」という効果音が鳴った。
漫画みたいだと思うほど、現実感がなかった。

その後のことは、はっきり覚えていない。
別の日の診察だったと思うが、子宮がんも患っていることが分かった。

幸いだったのは、原発が別だったこと。
そして、がんの種類が非浸潤がんだったことだ。

がんには、浸潤がんと非浸潤がんがある。
非浸潤がんは、がん細胞が元の組織内にとどまっている状態で、転移のリスクが低い。
一方、浸潤がんは周囲に広がり、転移の可能性がある。

医師からは、全摘出を勧められた。

胸がDカップと大きかった私にとって、それはとてもショックだった。
命の話だと分かっていても、気持ちが追いつかない。
女性としての自分が、一気に奪われるような感覚だった。

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