再建手術の夜|結論
再建手術は、全摘のときより長く、体への負担も大きい手術です。でも目が覚めた瞬間、痛みの中でも「形がある」ことは伝わってきました。それだけで、なんとも言えない気持ちになりました。
再建手術が長時間になる理由
全摘手術とは違い、再建手術は想像以上に大がかりなものでした。
お腹から脂肪と皮膚を取り出し、胸へ移植する方法です。ただ移植するだけではなく、血管を1本ずつ丁寧につなぐ必要があります。この処置を省いてしまうと、移植した組織が壊死してしまうため、時間をかけてでも確実に行わなければならない工程です。
だから手術時間は長くなる。それだけ精密な作業が、体の中で行われていたということです。
目覚めた瞬間に感じた変化
目が覚めてまず感じたのは、「痛い」という感覚でした。
冷や汗が出るような痛さ。でも麻酔でまだ意識も朦朧としている。「目覚めた時には良くなっている、今は体を休めよう。寝ていれば治る」——そう自分に言い聞かせながら、とにかく乗り越えようとしていました。
胸の膨らみに気づいたのは、もう少し意識がはっきりしてからのことです。全摘後のあの感覚とは違う。そこに「形」がある。痛みの中でも、それだけはちゃんと伝わってきました。
術後の夜、身動きできない時間
術後は、想像以上に「動けない」状態が続きました。
血栓症を防ぐために、両足には専用のソックスと、血流を促す圧迫機械を装着されます。一定間隔でギュッギュッと圧迫を繰り返すその機械をつけたまま、お腹の傷があるため仰向けのまま動けない。寝返りすら打てない状態です。
手術後2日間は尿管も入っていたので、トイレにも行けません。
それでも私は「この時期を過ぎれば、好きなだけ寝返りが打てる。今だけの辛抱」と思っていました。終わりが見えているなら、耐えられる。そういうものだと思います。
術後の夜に続く小さな心配
術後しばらくは、麻酔の影響で意識が朦朧としていました。
2〜3時間おきに看護師さんが「ごめんなさいね」と声をかけながら起こしに来てくれます。半分無意識のまま対応していたかもしれません。
痛みは、意外にも胸よりお腹の方が強かったです。もともと薬を飲むのが好きではない私ですが、そのときばかりはロキソニンのお世話になりました。
それでも「色が変わっていませんように」という小さな心配は、朦朧とした意識の片隅にずっとありました。
初めて包帯をとった瞬間に感じた変化
しばらくして、初めて包帯が外れた日のことです。
包帯をとって感じたのは、胸の膨らみでした。全摘後のぺったんこの胸、エキスパンダーでバレーボールのように張り出して垂れ下がっていた胸。それがやっと、自然な形に戻った感じがしました。
元と全く同じかといえば嘘になります。乳首も乳輪もない、まっさらな肌色の胸。でもそのときの私には、膨らみが戻っただけで十分でした。それだけで、嬉しかった。
そしてその胸をよく見ると、一部だけ皮膚の色がかすかに違う場所がありました。アーモンドのような形で、まるで胸に小さな目があるような。
看護師さんから「お腹から移植した皮膚で、血流が正常かどうか確認するために残しているんですよ」と説明を受けました。
そこで初めて気づきました。術後の夜、2〜3時間おきに「ごめんなさいね」と起こしに来てくれていたのは、この部分の色が変わっていないかチェックするためだったんだと。朦朧とした意識の中で何度も確認されていた理由が、ようやくつながった瞬間でした。