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②笑いそうになった、油性ペンの線——明日が手術だと実感した瞬間

入院から手術まで

明日の手術準備を終えて病室に戻ると、まずカーテンを閉めた。
それからパジャマを脱いで、診察から戻った自分の上半身を見た。
そこには、さっき診察室で引かれた線が残っていて、思わず笑いそうになった。

さっきの診察室で、先生に言われた。
「恐れ入りますが、立っていただけますか?」
「すいませんね、失礼します」

そして、消えないように黒い油性のマジックペンで、私の胸に印の線を何本か引いていった。
一本、また一本。まるでパズルみたいに、線が増えていく。

立った状態で線を引いたのは、左右のバランスを見るためだろう。
その線を“指標”にして、私の胸が取り除かれていく——そう考えた瞬間、現実がじわじわと迫ってきた。
「ああ、明日は手術なんだな」――改めて実感した。

病室で、落書きみたいに黒い線が引かれた胸に、私は今年の夏に着るはずだったビキニを当ててみた。
メルカリで好きなブランドの水着を2,000円で見つけて、今年着る予定だったものだ。
その未来が、急に遠くなった気がした。

それでも私は携帯を手にして、パシャパシャと何枚か写真に収めた。
いつかこの写真を見て、笑える日が来るといい。
そんな思いでシャッターを切った。

半分おかしくて、半分悲しくて、気が済むまでそのまま写真を撮った。
最後の自分の写真が、落書きみたいな線だらけでも、それはそれで私らしく面白いと思った。

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